「仕事先にいい印象を与えたい」「あの人に可愛いと思われたい」など、相手にいいイメージを与えるには、やはり見た目が重要です。注目が集まりやすい髪型は、イメージを強く印象付ける“顔の額縁”とも言えるでしょう。緻密なカウンセリングでお客様のなりたいイメージを共有し、理論立ててスタイルに落とし込むスタイリスト・坂上 健さんの技術をレポートします。
体験する人:田村さん(46歳)
セミナー講師という仕事柄、人前に立つ機会が豊富。大事な仕事の前は“どんな印象だと仕事にプラスとなるか?”を坂上さんと相談し、ご自身の説得力をさらに上げる髪型にチェンジしています。
担当美容師:坂上 健さん
神戸で12年勤務したのち独立。サロンワークのほか、撮影、講習活動、商品開発など幅広いステージで活躍。“見られたいイメージ”を叶えるための、綿密なカウンセリングと技術力に定評があります。
今回のモデル、田村さんがDreapに初来店したのはホテルのブライダルスタイリストをしていた8年前。仕事には説得力のある印象が不可欠と、新たな髪型を探していました。初対面の坂上さんに、「会って5秒以内に私に27万円払う価値があると思わせる髪型にしてほしい」とリクエスト。無難なミディアムヘアから前下がりのボブにし、お客様はもちろん上司からの評価もアップ。それ以来、大切な仕事の前には坂上さんに相談し、仕事にプラスに働く髪型を提案してもらっています。
坂上:セミナーの受講層を教えてください。何を教えるセミナーですか?会場では着席?自然光は入る?受講者と田村さんの距離感はどのぐらい?受講者に感じてほしいイメージは?当日着る衣装はスカートとパンツのどちらですか?
毎回仕事内容を詳しくヒアリングし、講師としての説得力をアップさせる髪型を考えます。今回のセミナーは、20~40代の女性にメイクやファッションで自分らしさを表現する楽しさを伝えるもの。愛らしさを残しながらも、動きのあるアシメントリーのカットで“美のスペシャリスト”としての印象を強調するスタイルで行くことに決まりました。
カウンセリングが終われば、いよいよ施術。首を長く見せるように襟足を短くカットし、シルエットをひし形にして愛らしいイメージをプラス。段をしっかり入れて重心を上げて小顔効果を引き出し、フレッシュな印象に仕上げます。
坂上:次はカラーの方向性を決めましょう。明るさをチェックするために、このレベルチェッカーを使います。目の下に当てて、クマが消えるレベルを探してみてください。
坂上さんが取り出したのは、肌トーンをチェックするカード。明るさの違うカードを当てていき、白目がより白く、目の下のクマが消えるレベルを探します。さらに、カラースケールを当てて、髪の色味をチェック。ブルーベース、イエローベースのどちらが肌なじみがいいかを判断していきます。
坂上:今の肌トーンと目の状態なら、10~12レベルの明るさがいいですね。セミナー主催者が前回と同じなので、“新しいことにチャレンジをしている”というイメージを出したいので、明るめの12レベルにしましょう。
セミナー会場は、蛍光灯を使用していることが多くブルーの色味は補えるので、よりナチュラルに見えるよう薄いグリーンとグレーをチョイス。明るく見せたいトップから塗布していきます。
カラーリング後は、仕上げのカット。根元からハサミを入れ、毛先に動きが出るようにしていきます。短く切った髪がだんだんと伸びるに従って根元を持ち上げるので、時間が経ってもふっくらとしたボリュームのあるスタイルが続きます。
坂上:スタイリングは2パターンお伝えしますね。顔周りは毛束を作るように、前髪は大きいコームで梳いて筋をつけ、サイドに外ハネをつけると、愛らしく元気な印象が残りますよ。また、今年の秋冬のテーマは“ハンサム”なので、前髪をサイドパートで隠すとカッコいい服装にも合います。
今回の希望を叶えるだけでなく、次のトレンドにも合わせたスタイルを提案してくれた坂上さんに大満足の田村さん。「仕事をするうえで、坂上さんは欠かせないパートナー」と言い切る信頼感は、ますます強くなったようです。
施術を終えて…