「縮毛矯正って針金みたいに不自然なストレートになりそう」なんて、いまだに思っていませんか?
いえいえ、技術力のあるサロンなら、丸みのあるスタイルに仕上げたり、エイジングの気になる髪にしなやかさと艶を与えたりと、縮毛矯正も髪をデザインするひとつの選択肢。
そんな縮毛矯正を得意とする美容師、竹之内 佑起さんの最新技術をレポートします。
体験する人:竹重さん(36歳)
高校時代から3~4か月おきに縮毛矯正を続けており、その仕上がりにはこだわりあり。髪のダメージのほか、第1子出産後ぐらいから髪のエイジングも悩みに加わりました。
担当美容師:竹之内 佑起さん(36歳)
髪の健康美を第一に、その人の新しい魅力を引き出すことをめざす「A-cura(あくら)」のディレクター。縮毛矯正技術には定評があります。
今日のモデルは高校時代から3~4か月おきに縮毛矯正を続けているという竹重さん。最初のカウンセリングで、竹重さんの髪に指先で触れながら髪の太さ、うねり具合、表面のざらつき加減などを確かめるスタイリストの竹之内さん。初めてのお客様だけあって、その髪質判断には慎重です。
竹之内:前回の施術で伸びが甘かったところをしっかり伸ばしつつ、ダメージで硬くパサついている部分をケアしていきましょう。
頭頂部がペタンとなりがちなこと、フロント~フェイスラインの髪が痩せて細くなっていることなど、リラックスした会話の中で竹重さんのお悩みをすくい上げていきます。カットはくくれる長さを残しながら毛先を整え、毛量調整を行うことに決定。さっそくシャンプー台に移動します。
竹之内:うちの縮毛矯正のこだわりは、すべてのプロセスを丁寧にすること。シャンプーしたら、まず前処理からしっかりしていきます。
シャンプー後にはトリートメントをなじませ、丁寧にスチームを当てながら髪に成分を浸透させます。洗い流した後に、さらに髪の補強のためにアミノ酸成分をスプレーし、再度スチーム。これから使う薬剤の入り具合を均等にし、ダメージを防ぐ大事なプロセスです。
次に10種類以上もある薬剤から、竹重さんに合ったものを数種選びブレンドする竹之内さん。髪が痩せてきたフロント~フェイスラインには刺激の弱い薬剤を使うなど、部位ごとの使い分けもばっちり。
薬剤塗布は、①新たに生えた根元部分、②真ん中ゾーン、③ダメージが気になる毛先、と3つにわけ、それぞれに適した処置をしていきます。繊細な作業なのに、迷いがない。
1剤の塗布が終わると再びシャンプー台へ。丁寧にシャワーで薬剤を流した後、さらにボウルにためたお湯に髪を浸すようにしながら、薬剤でアルカリ性に傾いた髪を水の力で弱酸性に戻していくのだそう。
竹之内:ここを丁寧にやることで3か月後に差が出ます。縮毛矯正はすべてのプロセスの掛け算で成り立っているようなもので、ひとつうまく行かないとすべてが台無しになってしまうので、気が抜けないんです。
洗い終わると、いったん髪を乾かしてブローとヘアアイロンで髪を伸ばします。これは1剤が髪内部の成分結合をいったんほどいた状態になっているのを、熱で再結合させる働きがあるのだとか。
こうしてまっすぐ伸びた状態をしっかり定着させるのが2剤。2剤の塗布が終わると洗い流し、トリートメントをつけて再度スチーム。最後に酸リンスをつけてスチームし、髪を傷みにくい状態に戻します。
そして施術はいよいよ最終工程のカットへ。
毛先を整え終わると、髪の表面にハサミを滑らせるような独特な動きで枝毛カットを。これをやることで手触りがぐんと向上し、おさまりがよくなるそう。美容師向けの技術セミナー講師に招かれることも多いという話に思わず納得!のハサミさばきです。
最後に内側で毛量調整を行った後、丁寧にブローで仕上げていきます。
アイロンで毛先にランダムに巻きを入れてナチュラルにセットすると、髪にはしなやかな艶が宿り、まさか縮れ毛で悩んでいたとは思えないほど。
色白でふんわり優しげな竹重さんの魅力を一層引き出しています。
20年来の縮毛矯正マニア(?)の竹重さんも初めての仕上がりに大満足の様子でした。
施術を終えて…