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神渡 夏樹  > Interview

お客様への気持ちで満ちたあたたかな美容室づくり

Interview2017.08.31

神渡 夏樹
manoa

憂鬱な気分も、髪型を変えることで明るくなれる。そんな美容のマジックに魅せられて美容師を目指した神渡さん。5年で独立するなど順風満帆に思えますが、その道のりは険しいものでした。

神渡:アシスタント時代に出産を経験し、美容師を一度中断。美容学校に通いなおすなど、回り道も多くしました。すぐに技術が覚えられず、人一倍時間がかかりました。子育てしながらアシスタントとして働くのもハードでしたね。その分、美容師への思い入れはすごく強い。やっと好きな仕事に就けたので、大変なことがあってもやめようと思ったことは一度もありません。

お客様のお叱りがもたらした変化

manoaという店名の由来は、ハワイにある“マノアの滝”から。“虹の滝”とも呼ばれる滝は、深緑の森に囲まれたヒーリングスポット。美容室も癒しの空間でありたいという願いを込めて名付けました。

神渡:“美容師=オシャレ”というイメージがあるのか、「ちゃんとした格好で行かなきゃ」とか「間違ったことを言うと恥ずかしい」とか、美容室に苦手意識を持つ方や、緊張する方も多いですね。だから、店内もあったかみのある雰囲気にして、話しやすいムードも作って、リラックスしていただけるように努力しています。

施術の流れをわかりやすく説明する、自宅でのケアがラクになるコツを伝える、笑顔で話しかける、心を込めて施術をする…。忙しくなるとどうしてもなおざりになりがちな基本を神渡さんは大切にしています。それはアシスタント時代の苦い経験も影響しているようです。

神渡:腰痛のため洗髪できないお客様がいらっしゃったんです。「1週間洗ってないからよろしく」と言われたのに、何も考えずに普通にシャンプーしたら、「全然気持ちよくなかった」というお叱りをいただきました。

「1週間ぶりのシャンプーを楽しみにされていた気持ちをきちんと受け止めていなかった」と反省した神渡さんは、次の来店時には全力でシャンプー。「気持ちよくなりますように」「スッキリしますように」とこめた気持ちが通じたのか、それ以来神渡さんに指名がくるようになりました。

神渡:薬も「これは効く」と思って飲むと、効果が強まるという研究があるんです。シャンプーでリラックスしてもらえますように、カラーがキレイに入りますように、ダメージが減りますように、ブローでまっすぐになりますように…どんな施術も「こうなったらいい」と思いをこめるようになりました。

女性スタッフだけのプライベートサロン

manoaは席と席の間にパーテーションを配置し、ほかのお客様の目が気にならないように設計されています。すべてはお客様にリラックスしてほしいというこだわりからです。

神渡:美容室ってキレイになるための場所ですが、ターバンやロットを巻かれている姿はキレイじゃないし、あまり見られたくありませんよね。だから半個室にしました。男性に見られたくないというお客様も多いので、スタッフは女性だけに限定。なんでも話しやすいと好評です。

独立時は店舗数を増やすという夢もあったそうですが、今はなくなったとか。「店舗を増やすと誰かに任せないといけない。私はずっと現場でお客様と一緒にいたい」と、にこやかに笑う神渡さん。美容室が苦手なお客様も美容室に通うのが好きになるというmanoaのあたたかな雰囲気は、お客様を真摯に思う心から生まれているようです。

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