骨格診断やパーソナルカラーなど専門知識からお客様の魅力を客観的に整理し、新たなスタイルを提案する「Dreap」。代表であり、クリエイティブディレクターである坂上 健さんに、ビューティーコンサルタントの役割までも果たす美容師の役割について伺いました。
もはや美容室の定番技術になっている“似合わせ”。坂上さんは似合わせを前提としながらも、お客様の新たな一面を引き出すスタイルづくりに定評があります。常に新鮮な印象を追い求める理由とは?
坂上:ぶっちゃけて言うと、僕はお客様には稼いでほしい。そのためにも、イメージ作りは重要です。ヘアスタイルを変えることで、認めてくれる人が多くなったとか、仕事がうまく行くようになったとか、そんなお客様の目は輝いています。今までの殻を破って、どんどん活躍していただきたい。
毎回施術はカウンセリングからスタートしますが、経営会議のようになることも。雰囲気をやさしく見せるためには甘いスタイル。厳しめに見せるためには、キリッとしたシャープなスタイル。どういう自分を相手に認めてほしいのかを聞き出し、それを叶えるスタイルを提案します。
坂上:詳細をどこまで詳しく話していただけるかで、仕上がりも変わります。仕事だけでなく、恋人とデートをするという場合も、予定を細かく伺えるとシチュエーションにぴったりなスタイルを提案します。
お客様とのイメージのすり合わせに必要だと美容メーカーと開発したのがカラーリングの仕上がりを確認するためのツール。「少し明るく」「やや黄色っぽく」とあいまいな表現になりがちな微妙なトーンを可視化できるようにしました。
坂上:トークだけのカウンセリングだと具体的に想像できないお客様には判断の材料になりません。納得してもらうための口説きにしかならない。だから、目に見えるツールがほしかったんです。
カウンセリングに加え、坂上さんが大切にするのがスタイルの応用性。時間が経ってもきれいなのはもちろん、次のスタイルにも生かすことができる施術を心掛けています。
坂上:今している施術が次の施術に生かせるのが理想です。メニューは省くものだと思うので、必要だと思わなければカラーやパーマもしません。落ちかけたパーマを生かすカットをすれば、より自然に仕上がります。時間も節約できるし、お金も節約できる。
伸びたのを切るだけではメンテナンスになってしまい、スタイルに飽きてしまうとも語ります。
坂上:2ヶ月に一度来ていただくのはありがたいですが、時間がなかったり、お金がなかったり、コンスタントに来れないこともありますよね。伸びた時も楽しめる髪型が理想です。伸びた過程があるからこそ、バッサリ切れるし、自分の変化に気づくこともあります。その時間も必要なんです。
“お客様は新鮮な気分になりたくて美容院に来ている”が坂上さんの持論。新しい提案ができるように、何かを見る時も、人を観察する時も、街を歩く時も、何か美容につなげられないかとアンテナを張っているとか。もっともっと勉強をしたいと学ぶ姿勢を忘れない坂上さんの活躍に今後も注目です。