「ヘアチェンジをしたいけれど、どんな髪型が似合うのかがわからない」「センスのいいスタイリストに、わたしにピッタリなスタイルを提案してほしい」そう悩んでいる方も多いのではないでしょうか? 美容師は何からヒントをつかみ、どのようにスタイルを提案しているのか? ショートからロングまで、似合うスタイルを見つけ出してくれると評判のディレクター・山口 充さんの技術をレポートします。
体験する人:西田さん(44歳)
襟足の収まりが悪いのがお悩みでしたが、山口さんに担当してもらうようになって襟足を出したショートやボブの魅力に開眼。お気に入りのスタイルをキープしています。
担当美容師:山口 充さん(47歳)
神戸の老舗美容室のひとつ、ALEXのディレクター。定評のある似合わせ提案はもとより、新企画・新商品開発やスタッフの教育までも担当するマルチプレーヤー。
今回のモデルは、10年来の顧客である西田さん。友人からの紹介で来店以来、山口さんの提案力・技術力にすっかり魅了され、いつも“おまかせ”でオーダーしています。満足度120%を叶えるスタイルは、どのように生み出されているのでしょうか?
山口:今回のテーマは、オリエンタルな雰囲気の大人の女性。アッシュで髪色を落ち着かせるけれど、ハイライトをワンポイントで入れて、落ち着きすぎないようにしましょう。
まずはカウンセリング。新規のお客様には時間をかけてヒアリング。常連のお客様なら毎回の施術中の会話からライフスタイルや好みのスタイルの情報を蓄積し、悩んでいる事や今後してみたいファッションなどから導き出したスタイルを提案するのが山口さんのスタイル。「こうしたい」という美容師の押し付けではなく、お客様のライフスタイルを尊重し、最も素敵に似合うイメージを提案して、少しずつすり合わせていきます。
スタイルの基本となるのがカット。骨格や毛量など全体のバランスを見て整えていきます。お客様に似合うように、希望のスタイルを叶えるようにするのはもちろん、再現性の高さも重要です。自宅でのスタイリングはドライの後にワックスをつけるだけという西田さんにあわせて、ドライだけでおさまるように調整。西田さんの毛量は多め。短所だと考えると毛量を減らすことに重点を置きますが、山口さんは毛量が多いことを長所でもあるととらえ、トップにボリュームが出るようにカットしていきます。前髪が最近長かったのでイメージチェンジで短めにカット。「前髪で雰囲気を変えてみる?」「ここは切ってもいい?」など、自然な会話で西田さんの好みやイメージを共有しカットを仕上げていきます。
山口:今回はワンポイントにハイライトを入れましょう。ちょっと長めに残したサイドの髪に明るい色を入れて、動きを出していきます。髪をかき上げたり、風で揺れたりとちょっとした動きでオシャレで雰囲気のある女性に見えますよ。
今回のスタイルのキモになるのがサイドに入れるハイライト。カラー全体で明るさを出すのではなく、ハイライトで明るさを入れることで、落ち着いた印象がありながら、遊び心のある仕上がりに。耳の後ろの部分から毛先にかけて色味が出るように色を入れていきます。
山口:カラーの待ち時間にハンドケアはどうですか?美容成分のあるパラフィンパックをすると、肌の深部まで熱が伝わり、血行が良くなるんです。そのあと、ハンドマッサージをするとすべすべになりますよ。
待ち時間もきれいになってほしいと、施術と施術の間にできるメニューも展開しているALEX。ハンドケアを担当するのはビューティースタイリストの西川 美枝子さん。アシスタントではなく、エステなどの施術を行うスペシャリストが担当するのが、トータルビューティーサロンであるALEXのこだわりです。
シャンプーでカラー剤を流した後は、スタイリング。自宅でもできるよう、作りすぎず、ナチュラルに仕上げるのが山口さんのスタイル。サイドに入れたハイライトが映えるように、毛流れを整え、ワックスを軽くつけます。大人の落ち着きがありつつ、遊び心のある仕上がりに、西田さんから笑顔がこぼれます。自宅でも再現できるよう、今回使用したスタイリング剤を紹介し、スタイリング方法を細かく伝えて、施術が終了。自宅でのスタイリングも簡単にできそうだと、大満足の西田さんでした。
施術を終えて…