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【神戸のこだわりと、魅力が輝く企業さま】インタビュー vol002 日本酒「福寿」の蔵元、神戸酒心館 支配人 湊本雅和様(後編)

NEWS2018.05.17

Kamistaのコンセプトである「美容師さんのこだわりと魅力」を神戸の〇〇さんの「こだわりと魅力」ということで発信させていただきます。

今回は前回に続きまして後編!ノーベル賞の晩餐会でもご提供されました日本酒「福寿」の蔵元、神戸酒心館 支配人 湊本雅和(Minatomoto Masakazu)様にインタビューさせていただきました。

すべては楽しみ、喜んでいただくために(後編)

——— 専門的な技術者の方が情報をお持ちで、それを出すとうことは、美容師さんも同じで、スペシャリストゆえ、一般の方にわかりやすく伝えるということでは一緒かなと思いましたが、そういう意味では、若者向けや海外の市場はこれからも伸び続けるのでしょうか。

1人が飲む量は伸びなくても、今まで、飲んでいない人が飲むということで増えることがあると思います。今、流行っているからとか、美味しいからと誰かに勧めらたり、雑誌などメディアやSNSでみて、それを楽しみたいと思うひとが10人の中に、2人でも実際に飲んでくれれば、その分消費量は増えます。まだまだ、日本酒のことを知らない人が多いのです。
今の日本酒のレベルはとても高く、美味しいです。そして料理にも合わせやすい。加えて、やっぱり日本人は日本酒だよね。という日本文化への回帰的な流れも大震災の後に起こりました。全てが必然的に集まった結果なのかとも思います。

 

——— パッケージデザインがカラフルなイメージがありますが。

“わかりやすい”ということが重要です。実際、日本酒の意味がわかる人でも難しいと思うことが書かれています。「超特選純米酒」など、何が超特選なのかと。他の純米酒と何がどう違うの?といった具合です。お客さんの傾向として、私が思うに、ビギナーの方々は味の違いを聞いてくる人が多いです。かたや、愛好家の方々は、米が違うとか、造り方や、アルコール度数が違うのかなどの話を聞きたい。専門用語で日本酒の味わいを説明することは業界内では当たり前でも、一般的ではありません。商品イメージを伝える際にポップなデザインは試しやすい風味。落ち着いた高級感あるものは品質や価格とも同調します。

国内外問わず「わかりやすい」「おぼえやすい」「認識しやすい」という点はとても重要です。カラーバリエーションはいろいろな業界で試されている有効な手法だと思います。

 

——— 御社の「こだわり」はございますか。

ラベルやボトルのデザインが違うように、お酒を造るときにもそれぞれの個性を大切にすることです。大吟醸と純米酒、それぞれの特徴がはっきり認識でき、皆さんに楽しんでいただけるように手造りにこだわっています。福寿では人間の五感や経験を主軸に酒造りをしています。加えてデータ管理、新たな技術、品質を向上させる手法を積極に取り入れ、伝統的手法と組み合わせてゆくチャレンジ精神もこだわりといえるかも知れません。

 

——— お酒造りは、兵庫県の産業として、農家の方を含めて大切な産業なんでしょうね。

酒造りに最高の米と水。兵庫発祥の米である「山田錦」とここで湧き出る「宮水」を目の前にできる「灘五郷」という恵まれた立地条件を最大限に活用しています。
大きく異なる気候風土を持つ兵庫県は、まさに「食の宝庫」です。そして六甲山のもたらす自然の恵みが酒造りに大きな影響を与えていることも間違いのないことです。

 

——— 日本酒は糖質が高いというイメージがあるのですが、実際どうなのでしょう。

アルコールはエンプティーカロリーといわれています。取り過ぎはよくありませんが適度であれば気にすることはないと私は考えています。甘口の日本酒やワインであれば糖分が残っていますが、これもどれだけ飲むかの問題でしょう。
美味しい日本酒はお食事を一層美味しくしますので、食べ過ぎに気をつけた方が良いかも知れませんね。

 

———あと、お食事処も併設なさっていますが。

お酒と食事は切り離せないものです。
せっかく蔵までお出かけいただいたのですから、蔵元の営む「蔵の料亭 さかばやし」で旬のお料理と蔵出しのお酒を楽しんでいただきたいという気持です。
お酒と相性の良いお料理をご提案できることは大きなアドバンテージになると考えています。

 

———それで、体験型のイベントや、寺小屋、ウェディングなどもされてるのですか。

寺子屋のような「酒蔵文化道場」は、いろいろな分野の専門家をお招きし、普段知ることのできないお話しを伺うイベントです。奇数月に開催し、既に100回を超える開催となりました。皆勤賞の方もおられます。さかばやしが調える婚礼献立を楽しんでいただく和のウェディングとして、神戸酒心館で披露宴を開かれる方々も多くなりました。近隣には有名な神社もあり、地域全体で大きな価値を生み出すことができます。

———震災後にそういった取り組みをされたんですね。

 

震災前にも少し離れた場所で小規模に運営しており、コンサートや落語の会、酒と肴を楽しむ場所として親しまれていました。
界隈は古い木造蔵が立ち並んでおり、映画のロケにも利用されるほど情緒がありましたので、観光名所としての打ち出しプランを行う手筈となりました。
神戸市長にプレゼンを行う予定の、まさにその朝に阪神淡路大震災が発生してしまいました。玄関先に用意されていた青写真はその日には活用されませんでしたが、現在の神戸酒心館を復興させる際の重要な基礎となったわけです。20年以上前のことですが、映画のシナリオになりそうな逸話です。

 

———今もまだまだ進化系ですね。今後の展開などはお考えですか。

 

個人旅行者(FIT)を含むインバウンド需要、ワールドラグビー、オリパラ、そして関西で2021年に開催予定のワールド・マスターズ・ゲームズなどなど、世界中から日本観光を楽しみに来られる方々がますます増加すると期待されています。

神戸酒心館ではこれらの受け入れ対応を強化するため、いち早く16言語に展開したパンフレットやwebサイトを提供しており、自国の言語で日本酒文化に触れていただくことができます。毎日行っている蔵見学に加え、無料のきき酒で選べる蔵出しのお酒はもちろん、酒器やめずらしい食品を日本中から集めた「蔵元ショップ」(観光業)。兵庫の産物を用いた会席料理、神戸ビーフを蔵出しの日本酒とともに楽しめる「蔵の料亭 さかばやし」(飲食業)。

これらを要の「酒造業」に加えた多面的なリソースを持つのが神戸酒心館です。
皆さんのご来館を年中無休でお待ちしています。

http://www.shushinkan.co.jp

 

株式会社神戸酒心館
〒658-0044 神戸市東灘区御影塚町1-8-17 TEL:078-841-1121
さかばやしTEL:078-841-2612

神戸酒心館ではお車でご来館される方のために60台の無料専用駐車場をご用意しております。ぜひご利用ください。

※未成年者およびお車を運転される方はきき酒、飲酒をご遠慮ください。

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