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岡村 泰輔  > Interview

サロン帰りのスタイルを自宅で再現はできない。でも、近づけることはできる。

Interview2017.08.23

岡村 泰輔
Biensûr

ナチュラルなスタイルに定評のある岡村さんが大事にしているのは“再現性”。「自宅でも満足できるスタイルでいてほしい」という思いから、自宅でスタイリングしやすい仕上がりを心掛けています。

岡村:正直に言って、自宅でサロンスタイルとまったく同じにするのは無理です。しかし、よく似た感じにはできる。カットでシルエットを完璧に作っておけば、自宅で毛先をブローするだけでサロンスタイルに近づきます。パーマも施術しますが、基本はカットを強調し、ご自身でも扱いやすいようにするためです。

“再現性”と同じだけ大切にしているのが、お客様に対する“正直さ”。お客様の希望にすべてYesと言うのではなく、Noと言うこともあるのだとか。しかしそれは美容師としてのエゴからではなく、お客様の気持ちを尊重するがゆえの「No」なのです。

岡村:お客様にまず確認するのが“どういうイメージに仕上げたいか?”です。これは「こんなパーマをしたい」とか「こんな色に仕上げてほしい」ということではなく、「カッコよくなりたい」「知的に見せたい」という、なりたい自分像のこと。カットもパーマもカラーも、なりたい自分を叶える手段。パーマをかけたいと言われても、お客様が考える“なりたい自分の方向性”に必要ないと思ったら考え直していただきます。カットとスタイリングで叶えられるのであれば、スタイリング方法をしっかり伝えて納得してもらったうえで、過剰な施術はしません。

きれいなスタイルを求めるなら、
まずは土台となる髪をきれいに。

スタイルで美しさを追求するのは美容師として当然のこと。そのベースとなる髪本来の美しさにも強いこだわりがあります。

岡村:きれいなスタイルを作るには、土台となる髪が健康でなければなりません。髪が不健康でスカスカの状態だったら、サロン帰りはきれいだったとしても湿気で広がったり、ブローが決まらなかったりと、きれいなスタイルを保てないんです。だからこそ、不必要な施術は髪を傷めるのでしたくありません。シャンプーやトリートメントなど、自宅でできるケアも積極的に紹介して、お客様にも努力していただいています。サロンでケアしても、毎日お客様が過ごすのはご自宅。そこでケアをするのが何よりも大切だと正直に伝え、一緒に頑張っていきましょうと説明しています。

よく目にする“なりたい自分を叶えるスタイル”というフレーズ。美容師に任せるのも一つの方法ではありますが、お客様からの発信が何より大切だと岡村さんは考えます。

岡村:最終的にどんな自分になりたいかを照れずに教えてもらえるといいですね。どんなスタイルにすれば、それを叶えられるのかを考えるのが美容師の仕事。「こんな風に切ってほしい」ではなく、そこに隠れている本当の気持ちを素直に言っていただければ、全力で応えます。仕上がりを見て、笑顔で「ありがとう」と言っていただけるのが、僕のいちばんの喜びですから。

お客様の希望を拾い上げるカウンセリング力、仕上がりイメージをお客様に伝える提案力、実現する技術力。お客様の「ありがとう」の一言を聞くため、岡村さんは3つの力を磨き続けます。

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