日々全身！日々全力！常に新しい魅力を引き出すために

Interview2017.09.13

武部 泰弘
FIDUCIA

キャリア30年。“ベテラン”と言われる武部さんのこだわりは「こだわりを持たないこと」。現状に甘んじず今なお貪欲に前進し続ける姿は美容業界においても貴重な存在です。

武部：一つのこだわりに執着せず常に成長していけるよう、意識的に自分の中に新鮮な情報、技術を取り込むようにしています。これは昔から自分の中で心がけてきたことで、やっぱりおしゃれは鮮度が命。3ヵ月ごとに季節が変わるんですから、3ヵ月前と同じ仕事をしていたらいけないわけです。常にお客様に鮮度の良いご提案ができるよう、自分にも、周囲にも、「3ヵ月前のヘアスタイルは古い。そんなことをしていたら古い感覚しか持てなくなってしまう」と言い聞かせています。

そのためには、日頃から意識しておくことが大切。武部さんは普段から雑誌を読むなど情報収集に努めています。

武部：セミナーや講習会には積極的に足を運ぶようにしてます。いつもそこで仕入れたことをお客さんにお伝えするんです。楽しみにしてくださっている方もおられて、「最近は何か新情報ないの？」と聞かれることもあります。

豊富な提案力を持つ武部さんの元には、山本さん同様長いお付き合いのお客さまが大勢おられます。例えばFIDUCIAのオープン当時から15年来通われる方や親子三世代で通われる方など、どなたも武部さんの腕の良さには信頼を置いています。

武部：私のお客さまは年齢層が幅広く、小学生から20～30代、80代の方もいらっしゃいます。特に年配の方には、年齢を意識させない若々しい髪型をお勧めしています。年相応の髪型は他所でもできるでしょうから。せっかく私の元に来てもらったのなら、今まで知らなかった魅力を引き出したいんです。

武部さんのこの“似合わせ”の感覚にはお店のスタッフも太鼓判を押すところ。「武部さんは似合わない時は似合わないとハッキリおっしゃるので嘘がないんです。また逆に『絶対似合うから』と言って施術なさる時は、お客様を必ず満足させるスタイルに仕上げます。その“似合わせ”を見つける感覚はすごいと思います」と話します。

武部：“似合わせ”を見つけるには、来店時の30秒が肝心。そこで得たインスピレーションが軸に、カウンセリングで得た情報をプラスしていくんです。最初の瞬間にベストなスタイリングを思い描けなければ良い仕事はできないとさえ思っています。

このプロ意識こそ、武部さんがお客様から信頼される秘訣なのでしょう。
現在、武部さんの胸には新たな挑戦が思い描かれています。それは健康と美容を結びつけることです。

武部：数年前、私自身病気を患ったことで、少しものの見方が変わりました。健康上、なかなかヘアスタイルを楽しめない方にも何かできることはないか？と考えるようになったんです。例えば、抗がん剤で毛髪を失った方にウィッグを販売し、思い通りにカットしてさしあげるなど、できることはいろいろあると思うんです。まだ可能性を模索している段階ですが、できれば今年中にウィッグの販売を始めていきたいと考えています。自分の培った技術をもっと多くの方々のために役立てていただきたいです。

経験を積んでなお向上心を持って邁進する武部さん。今後も、いい意味で期待を裏切る提案が飛び出しそう。ご活躍がますます楽しみに感じました。

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